
・自分好みにブレンドオイルを作ってみたいけど、キャリアオイルの種類が多くて選べない!
・マッサージオイルは精油を入れたほうがいいの?
・自分の肌質に合ったキャリアオイルがわからない。
豊富な栄養素を含み、多様な効果が期待できるキャリアオイルは、単体で使用するよりもブレンドすることで多くのメリットが生まれます。
理想的なブレンドオイルを作るコツは、自分の肌質に合ったオイルを選ぶこと。
そして、最適な割合でオイルを配合することがポイントです。
この記事では、キャリアオイルの複合的な効果を期待できるブレンドオイルの作り方や、注意点などをご紹介します。

この記事を読めば、ブレンドオイル作り方の基礎がわかるよ!是非最後まで読んでね。
キャリアオイルをブレンドするメリットとは?

キャリアオイルは、植物の種子、果実などから抽出される天然のオイル。
多種多様な種類があり、それぞれに特有の成分や、テクスチャーを持っています。
一種類のオイルを使用しても、一定の効果(そのオイルの得意なこと)が得られますが、数種類のオイルを混ぜ合わせることで、たくさんの良いことをもたらします。
それぞれのオイルに含まれるいろいろな種類のビタミン・ミネラル・脂肪酸を組み合わせることで、肌に必要な栄養素をバランスよく配合させることができる。浸透力、抗酸化、保湿力など異なる得意分野をもつオイルが混ざりあうことで、一つのオイルでは得られない様々なアプローチを得ることができる。
テクスチャーの調整
重いオイルや軽いオイルをブレンドすることで、自分好みに合った滑らかさ、伸び、肌への吸収感に調整することができる。季節による乾燥具合や、その時々の状態に合わせて、オイルのブレンド比率を変えることで、常に使い心地のよい理想的なオイルケアができる。
安定性の向上
酸化しにくいオイルをブレンドすることで、品質の劣化を防ぐ効果が期待できる。
コストを抑える
定番キャリアオイルに高価なキャリアオイルをブレンドすることで、コストを抑えながら高級なオイルの恩恵も得られる。
自分の肌質を知る

自分に合うキャリアオイルを見つけるには、まず自分の肌タイプを知ることが大切!
チャートで肌タイプを診断すると、肌質別おすすめブレンドオイルのヒントがわかるよ。

キャリアオイルは3つに分類して考える
キャリアオイルは、得意分野ごと3つのカテゴリーで分類すると、把握しやすくなります。
- キャリアオイル 3つのカテゴリーとは
- ①ベースオイル
②スペシャルオイル
③テクスチャー調整オイル
カテゴリーごとに、具体的なキャリアオイルの例をご紹介します。
①ベースオイル/全体の大部分を占め、肌への浸透性や保湿力を担う

酸化に強く、安定性の高いオイルを選びましょう。
ホホバオイル(クリア)
- 肌タイプ:ほぼ全ての肌に適応・炎症肌やニキビ肌・赤ちゃんの肌にも使える
- テクスチャー:サラッと軽い
- 使用期限:開封後8カ月~1年以内
- 粘度:★★
【初めてのキャリアオイルにお勧め・優秀な万能オイル】
・人の皮脂の成分に近いワックスエステルが主成分:肌なじみが良く、肌のバリア機能をサポート。
・皮脂バランス調整:皮脂の多い部分は、皮脂分泌を抑え、乾燥した肌には、水分蒸発を防ぎ潤いを補給。
・毛穴を詰まらせにくい:ニキビのできやすい肌質の方も比較的安心して使用できる。
スイートアーモンドオイル
- 肌タイプ:ほぼ全ての肌に適応・マッサージオイルの定番
- テクスチャー:適度な粘性あり
- 使用期限:開封後3~4カ月以内
- 粘度:★★★
【】
・オレイン酸やリノール酸が豊富:乾燥した肌に潤いを与え水分蒸発を防ぐ効果に優れている。
・シミ予防効果:メラニン生成を抑制する酵素(チロシナーゼ)の働きを阻害する作用がある。
・抗酸化作用:抗炎症作用があり肌を健康的に保つサポートをする。
グレープシードオイル
- 肌タイプ:ほぼ全ての肌に適応(特に脂性肌質の方に向く)
- テクスチャー:ソフトでさっぱり軽い
- 使用期限:開封後2~3カ月以内
- 粘度:★★
【サラサラしたオイルが好きならこれ】
・べたつきが少ないのが特徴:油分が気になる脂性肌の方もさっぱりと使いやすい。
・毛穴を詰まらせにくい:ニキビのできやすい肌質の方も比較的安心して使用できる。
・夏場や朝のトリートメントにも使いやすい。
②スペシャルオイル/特定の目的を叶えるパーソナルケア特化

保湿力強化、抗酸化、エイジングケアなど、自分の目的に合ったオイルを選びましょう。
アルガンオイル
- 肌タイプ:乾燥肌・年齢肌
- テクスチャー:少しとろみがあるが、伸びが良い
- 使用期限:開封後6カ月以内
- 粘度:★★★
【天然の老化予防オイルとも言われ、エイジングケアに最適】
・ビタミンEが豊富:抗酸化作用があり、肌老化の原因となる活性酸素の働きを抑える効果が期待できる。
・カロチンやフィトステロールが豊富:肌や、傷んだ毛先に活力を与え、回復・再生をサポート。
・デリケートな目元まわりにも:皮膚に栄養補給し、しわの改善、肌の柔軟化、抜け毛予防、髪質を柔らかくするなど、様々な美容効果が期待できる。
マカデミアナッツオイル
- 肌タイプ:乾燥肌・年齢肌・敏感肌
- テクスチャー:ややとろみあるが、べたつき感なく良く伸びる
- 使用期限:開封後約6カ月~8カ月以内
- 粘度:★★
【年齢と共に減少していくと言われているパルミトレイン酸を豊富に含む】
パルミトレイン酸:「若さの脂肪酸」と呼ばれる成分を豊富に含み、肌にハリやツヤを与える。
酸化しずらいので、他のオイルに混ぜて使用すると、品質の安定性が高まる。
しっとりした使用感:肌のごわつきやかゆみを和らげる効果が期待できる。
ローズヒップオイル
- 肌タイプ:年齢肌・くすみや色素沈着が気になる肌
- テクスチャー:粘度が高めでドロッとした感触
- 使用期限:開封後3週間程度(保管は冷蔵庫)
- 粘度:★★★★
【皮膚を再生し、老化を防ぐアンチエイジング美容オイルとして不動の人気】
肌のターンオーバーを促進する:コラーゲン生成をサポートし、たるみの改善し、ハリのある弾力アップ効果が期待できる。
シミを予防:細胞再生作用があり、シミなどの色素沈着の改善や美白効果が期待できる。
とても酸化しやすい:使用期限と保管状態に注意する。
独特の香::気になる場合は、精油を加えるとよい。
③テクスチャー調整オイル/重たさ、伸び具合など全体のバランスを整える

このカテゴリーは必要に応じて、補助的に加えるオイル。
軽いオイルや、重いオイルを少量加えることで、自分好みに調整するに役立ちます。
ファーナスオイル
- 肌タイプ:ほぼ全ての肌に適用(特に敏感肌・乾燥肌・炎症肌によい)
- テクスチャー:とてもサラサラ、すぐに浸透する
- 使用期限:開封後6カ月~8カ月以内
- 粘度:★
【肌への浸透力は植物オイルの中でNo.1】
ココナツやパームを原料とし、中鎖脂肪酸のみ抽出して作られたオイル。
刺激が少なく安定性が高い:肌に優しいので、様々な化粧品基剤やベビーオイルにも使用されている。
油性基剤と親和性が高い:他の成分を分散する作用があり、精油やキャリアオイルをよく混ぜ合わせるのに効果的は働きをする。
アボカドオイル
- 肌タイプ:乾燥肌・年齢肌・敏感肌
- テクスチャー:こってり重め
- 使用期限:開封後4カ月~6カ月
- 粘度:★★★★
【ビタミンA、E、B群など栄養価の高いオイル】
保湿力に優れ、角質化した足裏、かかと、ひじを柔らかくする。
他のオイルに加えるとコクがでてリッチな使用感になる。
冬場の乾燥がひどい時のケアにおすすめ。
小麦胚芽オイル
- 肌タイプ:乾燥肌・年齢肌
- テクスチャー:濃厚でどっしりした感じ
- 使用期限:開封後2カ月~3カ月以内
- 粘度:★★★★★
【血行促進作用があり、肌の再生をサポートする】
こってり、もったりしているので、真冬の乾燥による肌荒れや、唇、指先のケアによい。
リップクリーム、ハンドクリームなどを作る際に、少量まぜるとコクがでてよい仕上がりになる。
ビタミンEを非常に多く含むので、酸化防止剤として他オイルに10~20%いれるのも効果的。
ブレンド割合について
- ブレンドオイルを作る/3つのポイント
- ①どのような目的で使うのか(マッサージ、スキンケア、ヘアケアなど)
②どのような効果を期待するのか(保湿、美白、アンチエイジングなど)
③どのようなテクスチャーが好きか(軽い、重い、さっぱり、しっとりなど)
基本的には、下のような割合で組み立てるとバランスとれたブレンドオイルが作れます。
ボディケア・マッサージ用 | ベースオイル | スペシャルオイル | (テクスチャー調整オイル) |
ブレンド割合 | 50~70% | 20~30% | (20~30%) |

「ボディケア・マッサージ用」は広範囲にオイルを使用するので、コスパのよいベースオイルの割合を多めにブレンドしてみよう。
例えば、「保湿力強化ブレンド」なら、ホホバオイル40%、スイートアーモンドオイル30%、アボカドオイル30%、のような組み合わせもアリ!
特定の効果を狙う | ベースオイル | スペシャルオイル | (テクスチャー調整オイル) |
ブレンド割合 | 20~30% | 50~70% | (20~30%) |

「特定の効果を狙う」オイルは、目的に合ったスペシャルオイルの割合を多めにブレンド!
例えば、「シミを薄く!美白オイル」なら、ローズヒップオイル70%、スイートアーモンドオイル30%で、スポットケア用ブレンドオイルが出来上がり!
精油の効果もプラスしたいなら
精油は、植物の花・葉・果皮・根・種子・樹脂など様々な部位から抽出された100%天然の芳香物質で、1滴の中に多くの化学成分が含まれています。
精油の効果をプラスしたいなら、以下の割合を参考にしてブレンドしてみましょう。
精油入りブレンドオイル | ベースオイル/スペシャルオイル | ファーナスオイル | 精油 |
ブレンド割合 | 70~80% | 20~30% | 顔 0.5~1% 体 2~3% |

精油を加える場合は、ファーナスオイルを少量加えのがおすすめ!
精油の有効成分を皮膚の深部まで効果的に届けることができるよ。
ファーナスオイルの詳しい情報はこの記事を参考にしてね。
https://fem-laboratory.com/wp-admin/post.php?post=1155&action=edit自作ブレンドオイルの注意点
使用期限を守る
キャリアオイルは空気と触れ合うとこで、徐々に酸化が進んでいきます。
酸化したオイルは肌への刺激になったり効果が薄れている可能性があるので使用期限に注意しましょう。
オイルの酸化を見極めるポイント
香りの変化:以前と比べて香りが変化したり、嫌な臭いがする場合は酸化している可能性があります。
色の変化:オイルの色が濃くなったり、濁ったりしている場合も酸化の可能性があります。
テクスチャーの変化:オイルの粘性が極端に変化した場合も注意が必要です。
分離している:オイル同士、または精油が分離している場合も劣化の可能性があるので注意しましょう。
保存容器・保管方法に気を付ける
使用期限内でも、保管状態が適切でないと劣化を早めてしまう可能性があります。
ブレンドオイルを長持ちさせる保管方法
遮光性の容器に入れる:キャリアオイルは光に弱いため、茶やブルーなどの遮光ガラス容器に入れること。
しっかり密閉:空気との接触を最小限にするため、しっかりと蓋を閉めましょう。
冷暗所に保管:高温多湿を避け、直射日光の当たらない涼しい場所に保管しましょう。
精油を加える:抗酸化作用のある精油を加えることでブレンドオイル全体の酸化防止効果が期待できる。 (ローズマリー、フランキンセンス、ラベンダーなど)
異常を感じたらすぐに使用中止する
敏感肌の人や、はじめて使う植物油は使用前にパッチテストを行いましょう。
使用後、肌に異常が見られた場合は、大量の清潔な水で洗い流してください。
使用上の注意点
妊娠中・授乳中・小さな子供・高齢者・持病のある方:これらの方は使用前に医師や専門家に相談することをお勧めします。一部のキャリアオイルや精油には禁忌事項を含むものがあるため。
アレルギーのある方:ナッツアレルギーや、キク科アレルギーなどある方はその植物由来のキャリアオイルや精油の使用は避けましょう。
初めて使用するキャリアオイル:少量から試して様子を確認しながら徐々に量を増やしましょう。
信頼できるメーカーや販売店で購入する:品質の良いキャリアオイルは成分表や使用期限の記載があります。確認して購入しましょう。

未精製オイルは、原料植物の栄養素が多く含まれているけど、不純物が残っていたり、香りが強く感じることがあるよ。
なるべく精製された、肌刺激の少ないものを使ってね。
ブレンドオイルを上手に作るコツ
ブレンドオイルを作るたびに、記録を残して次回に役立てることで、どんどん上手になります。
・使ったキャリアオイルの名前や購入したブランド
・配合割合
・どんな目的で作って、結果はどうだったか
・作った量は適切だったか?多すぎたり、少なすぎたりしなかったか?
よくある質問
Q.精油を加えないでも効果はありますか?
A.はい。キャリアオイルブレンドオイルは、精油なしでもキャリアオイル自体の効果が期待できます。
保湿効果:肌の乾燥を防ぎ、潤いを保つ
柔軟効果:肌を柔らかく、なめらかにする
保護効果:外部からの刺激から肌を守ります
栄養補給:ビタミンやミネラルなど肌に必要な栄養を与える
また、精油を加えることで、さらに様々な効果を得ることができます。
Q.マッサージあとはふき取りしたほうがいいですか?
A.基本的にはふき取りは不要です。オイルの成分を肌に浸透させることで、保湿やマッサージ効果を高める目的があります。ただし、べたつきが気になる場合は、ホットタオルなどで軽く抑えるようにふき取ると良いでしょう。
Q.精製オイルと未精製オイル、どちらが効果的ですか?
A.どちらが効果的かは、使用目的や肌質によって異なります。
【未精製オイルがお勧めの方】 高い栄養価と植物本来の効果を求める方/肌が比較的丈夫な方/オイルの色や香りを楽しみたい方
【精製オイルがお勧めの方】 肌への優しさ、使いやすさ、安定性を求める方/オイルの香りが苦手な方/精油のアロマテラピー効果を活かしたい方
迷った場合は、少量から試して、自分の好みや肌質に合うものを見つけましょう。
Q.精油はどのくらいの割合でブレンドしたら良いですか?
A.体のどの部分に使用するかによって精油希釈濃度は異なります。
【顔のケア】0.5~1%
【体の広範囲ケア】1~3%
【部分的なケア(肩こり・筋肉痛など)】3~5%
Q.食用植物オイルでも大丈夫ですか?
A.以下の理由から食用植物オイルをキャリアオイルの代用として使用することはあまり推奨できません。
・食用植物オイルは風味や栄養価などを重視して精製しているが、キャリアオイルは肌への浸透性や保湿力など考慮して精製が行われている。目的の違いからキャリアオイル同等の必要な成分が失われている可能性がある。
・食用オイルの中には不純物や、保存料、添加物が含まれている場合があり、肌刺激となる可能性がある。
ただし、例外的に、無農薬・未精製食用オイルは一定の条件下においてキャリアオイルの代用として使用できる場合があります。注意点を理解し自己責任のもとで使用しましょう。