
「皮膚は人体最大の臓器」って言葉を知ってますか?
大人の皮膚面積は約1.6㎡(畳1枚分・体重の約16%)に及び、その役目は「保護」「分泌」「排泄」「体温調節」「知覚」など多岐にわたり、健康状態と密接に関係しています。
女性の場合、50歳前後からエストロゲン分泌が急激に減少していくため、肌の水分保持力が低下し乾燥しやすくなります。
肌の乾燥は、シワなど美容面の問題だけでなく、皮膚のバリア機能を低下させ、感染症リスクが高まるなど、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。

アラフィフ世代が保湿を習慣化することには、若年層以上に多くのメリットがあるよ。
この記事では、肌の状態が大きく変化していく更年期にこそ、身に付けたい保湿ケアの重要性と効果的な方法について伝えします。
アロマオイルを使用した全身保湿は、精神面にも良い効果があり、心身ともに不安定になりやすい更年期特有の悩みを寄り添う最適なケア方法です。
簡単につくれて、即効性のあるアロマオイルレシピをご紹介するので、ぜひ試してみてね。
アラフィフ世代に起こる肌変化とは?
50歳前後に起こる皮膚の変化は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌低下が主な原因です。
エストロゲンは、皮膚のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の生成を促し、皮膚の水分を維持する働きがあり、健康で潤いのある肌を保つために重要な役割を果たしています。
更年期は、下の図のように皮膚内部の変化がじわじわと進行していきます。

保湿が必要な理由
若い頃の乾燥肌は、環境や生活習慣が原因で起こるものが多いのに対し、
更年期の乾燥肌は、外的要因に加え、生理的な要因が大きく関係しているため、放置していると状態を悪化させてしまう可能性があります。

40代後半から50代にかけて、保湿を習慣化することで乾燥の進行を遅らせ、潤いを保つことができます。
肌に優しい成分で保湿力の高いものを選び、こまめなケアを心がけることが大切です。
肌を保湿するメリット
肌の保湿を習慣化すると、様々なトラブルを軽減し、以下のような多くのメリットがあります。
- バリア機能の低下のサポート
- バリア機能が低下すると、夏の紫外線、真冬の乾燥、摩擦、特定の成分など、様々な刺激に対して過敏に反応し、肌が荒れたり、赤みやかゆみ、ヒリヒリするなどのトラブルを起こしやすい状態になります。
保湿すると角質層の水分と油分のバランスを整い、外部刺激から肌を守るバリア機能が強化します。
- ターンオーバーの乱れへのアプローチ
- 乾燥してバリア機能が低下した肌は、自ら守ろうとして過剰に角質を作り出すことがあります。厚くなった角質はターンオーバー周期を乱す原因となります。
その結果、老廃物が停滞し、ミやくすみの原因になったり、肌トラブルが悪化したりすることがあります。保湿は肌のターンオーバーを正常に近づける効果が期待できます。潤った肌は、古い角質が剥がれやすく、新しい細胞への生まれ変わりを促しやすい状態になります。
- エイジングサインの緩和
- 保湿によって肌の水分量が保たれることで、乾燥による小じわを予防し、すでにできてしまったシワも目立たなくする効果が期待できます。
肌の水分と弾力を保つことで、ハリが生まれ、たるみの進行を緩やかにします。肌の水分バランスが整うと、肌の表面がなめらかになり、キメが整います。潤った肌は、くすみが軽減され、明るく透明感のある印象を与えます。
- 肌の土台を整え、スキンケア効果を高める
- 潤った肌は、化粧水や美容液などの美容成分が浸透しやすくなります。
ファンデーションなどの化粧品が密着しやすく、化粧ノリが良くなります。
- 精神的な安定とQOLの向上
- 乾燥による不快感から解放され、快適な肌状態で日常生活を送ることができます。
肌の状態がよいことで気持ちが明るくなり、自信を持って過ごすことができるようになります。

このように、更年期に肌をしっかりと保湿することは、単に乾燥を防ぐだけでなく、肌の健康を維持し、老化のサインを遅らせ、快適な生活を送る上で多くのメリットがあります。
更年期の保湿にアロマオイルが最適な理由
更年期の肌ケアを、自然からの恵みで心地よく緩和したいと考えている方に、アロマオイルのケアは最適です。
アロマオイルは天然成分
- ホルモンバランスの乱れによる肌トラブルへの緩和
- ラベンダー、ゼラニウム、クラリセージなどのアロマオイルは、ホルモンバランスを調整する作用があると言われており、更年期による肌のゆらぎや乾燥、かゆみなどの緩和に役立つ可能性があります。
- 精神的な不調の緩和
- 更年期には、気分の落ち込み、イライラ、不安、不眠などの精神的な不調が現れることがあります。ラベンダー、カモミール、フランキンセンスなどのアロマオイルは、リラックス効果や鎮静効果があり、心を落ち着かせ、これらの症状に寄り添いながら緩和してくれます。
- 天然成分が肌に穏やかに作用する
- 植物オイルにはビタミン、ミネラル、必須脂肪酸、抗酸化成分など、肌の健康をサポートする様々な栄養成分を豊富に含んでいます。皮脂に近い成分構造を持つものが多く、肌によくなじみます。また肌への刺激が少ないため、更年期の敏感な肌にも安心して使用できます。
- 自分を大切にする気持ちを育む
- ローズ、プチグレン、マンダリンのアロマオイルはセロトニン分泌を促す作用があり、幸福感をもたらします。丁寧にアロマオイルでマッサージしながら保湿することが、自分自身を大切にする時間となり、自己肯定感の向上につながります。
アロマオイルの効果的な使用方法
更年期の肌ケアにアロマオイルを取り入れる場合、その効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。

オイルケアの前は、化粧水や入浴などで肌に水分をたっぷり補給することを忘れないでね!
目的に合わせたアロマオイルを選ぶ
自分の肌状態をよく観察しながら、目的に合わせた植物オイルと精油の組み合わせを考えて使用することが大切です。
【乾燥対策・保湿】
植物オイル:ホホバオイル、アルガンオイル、スイートアーモンドオイル、アボカドオイルなど
精油:ローズウッド、サンダルウッド、ゼラニウム、ラベンダーなど
【ハリ・弾力対策】
植物オイル: ローズヒップオイル、マカデミアナッツオイル、イブニングプリムローズオイルなど
精油: フランキンセンス、ネロリ、ローズ、パルマローザなど
【炎症・鎮静】
植物オイル: カレンデュラオイル、セントジョーンズワートオイルなど
精油: ラベンダー、カモミール(ローマン・ジャーマン)、ティートリーなど
【精神的なケア (リラックス、安眠など)】
精油: ラベンダー、カモミール、フランキンセンス、イランイラン、ベルガモットなどは、心身をリラックスさせ、ストレスを和らげる効果があります。睡眠の質の向上は、肌のターンオーバーを正常に保つためにも重要です。
効果的な使用方法
キャリアオイルに精油を希釈し(一般的にはキャリアオイル10mlに対して精油1~2滴)、顔や全身をやさしくマッサージします。血行促進効果で、肌のターンオーバーを促し、精油の成分を浸透させやすくします。
マッサージは、摩擦を避け刺激を与えないよう、優しく行うようにしましょう。
使用上の注意点
○精油は必ず植物オイルで希釈して使用しましょう。
○初めて使用する精油は、必ずパッチテストを行い、肌に異常がないか確認してから使用しましょう。
○ 精油の使用量を守り、過剰な使用は避けましょう。
○一部の精油は、特定の持病のある方には使用を控えた方が良い場合があります。専門家や医師に相談しましょう。
○ レモン、グレープフルーツなどの柑橘系精油には光毒性があり、すぐに紫外線に当たると、シミや炎症の原因になることがあります。夜に使用するか、紫外線対策をしっかり行いましょう。
○ 精油が目に入ったり、粘膜に付着したりすると、刺激になることがあります。
○信頼できるメーカーの、品質の良い精油や植物オイルを選びましょう。
穏やかな作用だからこそ継続することが大切
効果を実感するためには、続けることが大切です。
アラフィフ世代にとって、保湿は単なるスキンケアではなく、年齢を重ねても健康的で美しい肌を保つための重要な習慣です。
ぜひ今日から保湿を習慣化し、未来の肌のためにアロマオイルケアを取り入れてみてくださいね。